不動産売却でポータルサイトに掲載する仕組みと注意点
「自宅を売却しようかな」
そう考えたとき、多くの方が真っ先に思い浮かべるのが、SUUMOやat-homeといった不動産ポータルサイトではないでしょうか。
実際、今や不動産を探す買主の大半が、ポータルサイトを利用しています。
では、あなたの大切な不動産がどのようにしてポータルサイトに掲載され、買主の目に触れるのか、その仕組みをご存じですか?
実は、この仕組みを知らないまま売却活動を始めてしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあります。
問い合わせが全く来ない、何ヶ月経っても売れない、そんな状況に陥ってから「こんなはずじゃなかった」と後悔する売主様を、私たちは数多く見てきました。
この記事では、不動産売却におけるポータルサイトの仕組みと、売主様が知っておくべき注意点を解説します。
不動産ポータルサイトとは?その役割と代表的なサイト
不動産売却を成功させるために、まずはポータルサイトの基本的な役割を理解しましょう。
ポータルサイトが果たす「集客窓口」としての機能
不動産ポータルサイトとは、インターネット上で売買物件の情報を一箇所に集約し、買主となるユーザーに公開するためのウェブサイトです。
言い換えれば、不動産会社と買主をつなぐ「集客窓口」として機能しています。
買主は、サイト上で希望のエリアや価格帯、間取りなどの条件を入力して物件を検索します。
気に入った物件が見つかれば、その情報を掲載している不動産会社に問い合わせを行う、という流れです。
ここで重要なのは、ポータルサイトに直接物件情報を掲載できるのは、サイトと契約している不動産会社のみという点です。
個人の売主様が直接掲載することはできません。
つまり、ポータルサイトでの集客を実現するには、まず信頼できる不動産会社を見つけ、媒介契約を結ぶことが第一歩となります。
SUUMO・HOME'S・at homeなど主要サイトの特徴
日本国内で代表的な不動産ポータルサイトとしては、以下のようなサイトがあります。
SUUMO(スーモ)
at home(アットホーム)
HOME'S(ライフルホームズ)
これらのサイトは、それぞれ月間で数多くの利用者を抱えており、買主が物件を探す際の主要な情報源となっています。
各サイトには特色がありますが、共通しているのは「物件写真」と「物件情報」が買主の判断材料になるという点です。
買主は実際に物件を見る前に、これらの情報だけで内覧するかどうかを決めます。
そのため、どのサイトに掲載するかよりも、「どんな内容で掲載されるか」の方が、売却成功には遥かに重要なのです。
あなたの物件がポータルサイトに掲載されるまでの流れ
売主様の不動産が実際にポータルサイトに掲載され、買主から問い合わせが来るまでの流れを見ていきましょう。
媒介契約締結から掲載までの4つのステップ
ポータルサイトへの掲載は、以下のような流れで進みます。
ステップ1:媒介契約の締結
売主様が不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を正式に依頼します。
媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。
【媒介契約の種類と専任媒介との違いを徹底解説】
ステップ2:ポータルサイトへの物件登録
不動産会社は、契約しているポータルサイトへ登録します。
この際、物件の魅力を伝える写真撮影やPR文の作成が行われます。
ステップ3:買主や他社からの問い合わせ
ポータルサイトを見た買主、または買主候補を顧客として抱える他の不動産会社や建築会社が、掲載している不動産会社に連絡します。
ステップ4:内覧調整から契約へ
問い合わせを受けた不動産会社が内覧日程を調整します。
内覧後、売主と買主の条件が合えば売買契約へと進みます。
この一連の流れの中で、特に重要なのがステップ2の「どのような内容で掲載されるか」という点です。
売主が知らないと損する!ポータルサイト掲載の落とし穴
ポータルサイトは強力な集客ツールですが、その特性を理解していないと、かえって売却活動が不利になることがあります。
写真と情報がすべて:第一印象で問い合わせが決まる
買主は、実際に物件を見る前に、ポータルサイトに掲載された情報だけで判断します。
つまり、写真と物件情報があなたの不動産の「すべて」を語ることになるのです。
どんなに素晴らしい立地や間取りの物件でも、写真が暗かったり、枚数が少なかったり、魅力が伝わらない撮り方をしていれば、買主の目に留まることはありません。
実際、私たちが相談を受ける売主様の中には、「何ヶ月も問い合わせが来ない」と悩んでいる方がいらっしゃいます。
その物件のポータルサイト掲載内容を確認すると、写真が少ない、暗い、PR文が定型文のみ、といったケースが多いのです。
逆に、掲載内容を改善しただけで、契約まですぐに締結できた事例もあります。
売却活動において、ポータルサイトの掲載内容は「営業マンの第一声」に相当する重要な要素だと認識してください。
「囲い込み」のリスクと両手仲介の問題
不動産業界には、「囲い込み」と呼ばれる悪質な商習慣が存在します。
囲い込みとは、売主と買主の両方から仲介手数料を得る「両手仲介」を目的として、自社で買主を見つけることを優先し、他社からの問い合わせを意図的に断る行為です。
具体的には、他社から「この物件を内覧させてほしい」と連絡があっても、「すでに申込みが入っている」「売主が内覧を断っている」などと虚偽の理由を伝え、情報を遮断します。
売主様からすれば、本来なら売却できたはずの機会を失っているわけです。
しかも、売主様は他社からの問い合わせがあったことすら知らされないため、気づくことができません。
囲い込みは売主様の利益を大きく損なう行為です。
信頼できる不動産会社を選ぶことが、このリスクを避ける最善の方法となります。
媒介契約選びで陥りがちな煩雑化の罠
「売却のチャンスを増やすために、複数社に依頼した方がいいのでは?」
そう考えて一般媒介契約を選択される売主様もいらっしゃいます。
確かに、一般媒介契約は複数の不動産会社に同時に依頼できる自由度があります。
しかし、ポータルサイトでの情報掲載という観点から見ると、一般媒介契約には注意すべき点があるのです。
複数社が同じ物件を掲載しても、買主が使うサイトは限られているため、問い合わせ数は思ったほど増えません。
むしろ、各社からの報告や連絡が重なり、情報管理が煩雑になります。
さらに、不動産会社間での情報共有義務がないため、同じ買主候補から何度も交渉を受けることもあります。
一般媒介契約の詳しいメリット・デメリットについては、別記事で詳しく解説していますので、そちらもご参照ください。
一般媒介契約を選ぶ場合でも、依頼する会社は少数に絞ることをおすすめします。
【一般媒介契約で複数社に依頼するデメリットの詳細】
売却を成功させるための確認ポイント
ここまで見てきたリスクを踏まえて、売却を成功に導くための具体的なポイントを解説します。
掲載内容は必ずチェック!魅力が伝わる写真とPR文
ポータルサイトへの掲載が始まったら、必ず掲載内容を自分の目で確認しましょう。
確認すべきポイントは以下の通りです。
①写真の質と枚数
明るく、部屋が広く見える写真になっているか
各部屋の特徴が伝わる角度で撮影されているか
十分な枚数が掲載されているか(建物なら最低でも10枚以上が望ましい)
②PR文の内容
物件の魅力が具体的に書かれているか
立地の利便性や周辺環境の情報があるか
定型文だけでなく、独自のアピールポイントが記載されているか
③地図上のピン位置の正確性
ポータルサイトには物件の所在地を示す地図が表示されますが、このピンの位置が正確かどうかも必ず確認してください。
ピンの位置がずれていると、買主候補が「駅から遠い」「周辺環境が悪い」と誤解し、問い合わせを諦めてしまう可能性があります。
もし掲載内容に不満がある場合は、遠慮せずに不動産会社に改善を依頼してください。
写真の撮り直しや、PR文の修正は、売主様の大切な権利です。
私たちあこう不動産では、売主様に掲載内容を必ず確認していただいております。
信頼できるパートナー選びが成功の鍵
不動産売却は、不動産会社との二人三脚で進める作業です。
信頼できるパートナーを選ぶことが、何よりも重要です。
パートナー選びのチェックポイントは以下の通りです。
・専門知識と経験
宅地建物取引士やファイナンシャルプランナー(FP)などの資格を持ち、不動産全般に関する知識が豊富な担当者であるか。
・地域密着の実績
売却する地域での取引実績があり、地域の相場や買主のニーズを理解しているか。
・コミュニケーションの質
質問に対して丁寧に答えてくれるか、定期的に活動報告をしてくれるか。
・透明性のある姿勢
囲い込みのような不透明な行為をせず、売主様の利益を最優先に考えているか。
一括査定サイトとポータルサイトの違いを理解する
最後に、混同されやすい「ポータルサイト」と「一括査定サイト」の違いを整理しておきましょう。
・ポータルサイト:物件を探す場所
ポータルサイトは、買主が物件を探すための場所です。
不動産会社が物件情報を掲載し、買主がその情報を見て問い合わせます。
・一括査定サイト:不動産会社を探す場所
一括査定サイトは、売主が不動産会社を探すための場所です。
物件情報を入力すると、複数の不動産会社から査定額が提示されます。
【一括査定サイトのメリットデメリット】
両者は目的が全く異なります。
売却を成功させるには、まず査定サイトなどを活用して信頼できる不動産会社を見つけ、その会社がポータルサイトに魅力的な形で物件を掲載してくれることが理想です。
ただし、一括査定サイト経由で多数の会社に査定を依頼すると、営業電話が殺到して対応が大変になることもあります。
よくある質問
Q.ポータルサイトへの掲載は無料ですか?
A. 売主様には費用負担はありません。
ポータルサイトへの掲載費用は、不動産会社が負担します。
売主様が支払うのは、売買契約が成立した際の仲介手数料のみです(宅地建物取引業法で上限が定められています)。
【不動産売却の一般的な流れと手数料について】
Q.レインズに登録されているか確認する方法はありますか?
A. 専任媒介契約または専属専任媒介契約を結んだ場合、不動産会社は登録後に「登録証明書」を交付する義務があります(宅地建物取引業法)。
この証明書には、登録番号や登録日が記載されています。
証明書を受け取ったら、記載されている情報をもとに、実際にレインズに登録されているかを確認することも可能です。
もし証明書が交付されない場合は、不動産会社に確認を求めましょう。
Q.問い合わせが来ないのですが、どうすればいいですか?
A. まずは掲載から2週間から1ヶ月程度の反応を見て、問い合わせがない場合は原因を分析する必要があります。
主な原因として考えられるのは、以下の3点です。
・価格が市場相場より高い
周辺の類似物件と比較して、価格を見直す必要があるかもしれません。
・掲載内容の魅力が不足
写真の質や枚数、PR文の内容を改善することで、問い合わせが増える可能性があります。
・時期的な要因
不動産市場には繁忙期と閑散期があります。
担当の不動産会社に相談し、これらの要因を一つずつ検討して、戦略を見直しましょう。
放置せずに早めに対策を打つことが、売却成功への近道です。
【不動産売却が長引く原因と値下げのタイミング】
まとめ:ポータルサイトの仕組みを理解して、スムーズな売却を実現しよう
不動産売却において、ポータルサイトは買主との最初の接点となる重要なツールです。
しかし、その仕組みを理解せずに売却活動を始めてしまうと、思わぬ落とし穴にはまり、売却の機会を逃してしまうリスクがあります。
この記事でお伝えした重要なポイントを、改めて整理します。
・ポータルサイトの掲載内容が売却成否を左右する
写真と情報が「すべて」です。
掲載内容は必ず自分の目で確認し、必要であれば改善を依頼しましょう。
・信頼できるパートナー選びが最重要
囲い込みのリスクを避け、透明性のある売却活動を実現するには、信頼できる不動産会社を選ぶことが何よりも大切です。
・媒介契約は慎重に選ぶ
一般媒介契約には情報管理の煩雑化というデメリットがあります。
信頼できる会社が見つかっているなら、専任媒介契約を検討する価値があります。
・反応がない時は速やかに戦略を見直す
売却活動は「待ち」ではなく「改善」の連続です。
状況によって、柔軟に対応していきましょう。
私たちあこう不動産は、長崎県大村市を拠点に、地域密着で不動産売買の仲介を行っています。
オンラインでの対応も可能ですので、遠方にお住まいの方もお気軽にご相談ください。
不動産売却は人生における大きな決断です。
ポータルサイトの仕組みを正しく理解し、信頼できるパートナーと共に、納得のいく売却を実現していきましょう。
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