blog
ローン返済中の不動産売却|アンダーローンとオーバーローン

- Blog
住宅ローンがまだ残っているけど、家を売らないといけない状況になった」
転勤、離婚、住み替え、相続など、人生にはさまざまな転機があります。
そんなとき、多くの方が抱く疑問が「ローンが残っていても家は売れるの?」ということではないでしょうか。
住宅ローンが残っていても不動産を売ることは十分に可能です。
ただし、通常の取引とは異なる特殊な手続きが必要になります。
この記事では、ローン返済中の不動産売却について、知っておくべき重要なポイントを分かりやすく解説していきます。
目次
住宅ローン返済中でも不動産売却は可能な理由
住宅ローンが残っている不動産でも売却することができます。
住宅ローン契約書には「金融機関の承諾なく担保不動産を譲渡・賃貸してはならない」という条項があります。
これは、ローンを完済するまで自由に不動産を売買や賃貸ができないという取り決めです。
しかし、売買代金を使って住宅ローンを一括返済し、同時に抵当権を抹消するという手続きを経て、売却と同時にローンを完済できれば、法的な問題なく不動産を売ることができます。
売却に必要な「同時決済」とは?手続きの流れ
ローン返済中の不動産売却では「同時決済」という特別な手続きが行われます。
同時決済とは、不動産の売買代金の受け渡しと同時に住宅ローンを完済し、抵当権を抹消する一連の手続きのことです。
同時決済の具体的な流れ:
- 売買契約の成立 買主との間で売買契約を締結します
- 決済日の調整 売主、買主、金融機関、司法書士の都合を合わせて決済日を決定します
- 売買代金の受け渡し 買主から売主へ売買代金が支払われます
- ローンの一括返済 受け取った売買代金で住宅ローンを完済します
- 抵当権の抹消 司法書士が抵当権抹消登記を行います
- 所有権の移転 買主への所有権移転登記が完了します
この一連の手続きは、司法書士の立ち会いのもとで同日に行われるため、法的な安全性が確保されています。
アンダーローンとオーバーローン
ローン返済中の不動産売却では、売却価格とローン残債の関係によって大きく2つのパターンに分かれます。
アンダーローン(売却益が残るケース)
アンダーローンとは、売却価格がローン残債を上回る状態のことです。
アンダーローンのメリット:
- 売却代金でローンを完済でき、手元に資金が残る
- 売却手続きが比較的スムーズに進む
- 次の住居購入資金として活用できる
アンダーローンの場合、売却益に対して譲渡所得税が課税される可能性があります。
ただし、居住用不動産には3,000万円の特別控除が適用されるケースが多いため、実際に税金がかかることは少ないのが現状です。
オーバーローン(自己資金が必要なケース)
オーバーローンとは、不動産の売却価格が、現在残っている住宅ローンの残債額を下回ってしまう状態のことです。
特に、購入から日が浅い物件や、頭金をほとんど入れなかった物件で発生しやすい傾向があります。
オーバーローンがもたらす課題とリスク:
- 売却代金だけではローンを完済できない: 売却が成立しても、手元に入ったお金だけでは銀行への返済が足りません。
- 不足分は自己資金で補填が必要: ローンを完済し、抵当権を抹消しなければ買主に引き渡せないため、不足分は売主様ご自身で現金を用意する必要があります。
- 売却自体が不可能になるリスク: 自己資金を用意できない場合、ローンを完済できず、結果として売却自体を諦めざるを得ない状況に陥ってしまいます。
オーバーローンの場合は、売却活動を始める前に、「いくらの売却価格ならローンを完済できるか」を正確に把握し、不足の自己資金をどう工面するかという事前の資金計画と戦略的な売却活動が非常に重要になります。
売却前に必ず確認すべき3つのポイント
ローン返済中の不動産売却を成功させるためには、事前の準備が必要です。
現在のローン残高を正確に把握する
まず最初に行うべきは、現在の住宅ローン残高の正確な確認です。
確認方法:
- 金融機関から送られる残高証明書をチェック
- インターネットバンキングで残高照会
- 金融機関へ直接確認
毎月の返済額と残高は異なります。
元金と利息の内訳を含めて、正確な残債額を把握することが必須です。
不動産の適正価格を知るための査定のコツ
売却価格の目安を知るために、不動産の査定を受けることが重要です。
査定を受ける際のポイント:
- 地域に詳しい不動産会社を選ぶ
- 査定根拠を明確に説明してもらう
- 売却にかかる諸費用を事前に教えてもらう
- 市場動向についても相談する
- 売却開始まで期間がある場合、価格変動も考慮する
査定額とローン残債+諸費用を比較することで、アンダーローンかオーバーローンかが判明します。
信頼できる不動産会社の選び方
ローン返済中の不動産売却では、専門知識を持った信頼できる不動産会社選びが成功の鍵となります。
選ぶべき不動産会社の特徴:
- 売値を決める前に諸費用の見積もりを提示してくれる
- 司法書士や金融機関との連携ができる
- 地域の市場動向に精通している
- 担当者が宅地建物取引士の資格を持っている
複雑な手続きを円滑に進めるためには、経験豊富な専門家のサポートが不可欠です。
よくある質問|住宅ローン残債がある不動産売却のQ&A
Q1. 売却にかかる期間はどのくらいですか?
A. 一般的に3~6か月程度です。
適正価格の販売で、査定から売買契約まで2~3か月、契約から決済まで1~3か月が目安となります。
Q2. 売却時にかかる費用はどのようなものがありますか?
A. 主な費用は以下の通りです。
- 仲介手数料
- 司法書士報酬
- 境界確認費用
- ローン一括返済手数料
- 印紙税
- 譲渡所得税(利益が出た場合)
Q3. 離婚時の不動産売却で注意すべきことはありますか?
A. 共有名義の場合は両者の合意が必要です。
また、財産分与の取り決めを事前に明確にしておくことが重要です。
まとめ|専門家への相談で安心・確実な売却を実現
住宅ローンが残っている不動産の売却は、決して不可能ではありません。
重要なポイントをまとめると以下の通りです:
- 売却代金でローンを完済する「同時決済」により売却可能
- アンダーローンとオーバーローンで対応方法が大きく異なる
- 事前のローン残高確認と適正価格査定が成功の鍵
- 専門知識を持った信頼できる不動産会社選びが重要
特に、オーバーローンの場合は自己資金の準備が必要になるため、早めの相談と計画的な進行が求められます。
住宅ローン関連の売却実績が豊富で、地域に精通した不動産会社に相談することで、安心して売却を進めることができます。
不安な点や疑問がある場合は、まず専門家に相談されることをおすすめします。
適切なアドバイスを受けることで、スムーズで確実な売却が実現できるでしょう。
まずはお気軽にご相談ください。無料相談は下記からお申し込みいただけます。
▼無料相談のお申し込みはこちらから
不動産のことなら株式会社あこう不動産にお任せください。長崎県大村市を中心に、地域密着で不動産売買のサポートを行っています。